エアコン、空調機の正しい選び方、使い方、掃除、修理 【図解】

エアコン、空調機とは? 英語:air conditioner

 ルームエアコン(Room Air Conditioner)は暖房、そして空気清浄、換気機能とあらゆる空調機能を備えた年中使用できる商品であり一家に何台も必要なため、家電業界での売り上げ数量も金額も大きくなりました。

氷室は日本のエアコンの元祖です。日本書紀には、冬の間に雪や氷を土中に埋め、夏に切り出して使う氷室についての記述があり、宮廷や貴族へ献上したそうです。

エアコンは液体が気体に変化する時に周囲の温度を下げる気化熱を利用した電化製品です。

これは水を皮膚にふきかけて清涼感を得る原理と同じです。エアコンでこの水の働きに相当するものを冷媒といいます。

ルームエアコンとパッケージエアコンとの違い

家庭用エアコンとパッケージエアコン(業務用)との一番に違う内容は冷暖房能力です。

電源:多くの家庭用エアコンは電源が単相200V、業務用エアコンの場合、単相200Vと三相200Vの両方あり、三相200Vを新たに引く場合は別途電気工事と電力会社との契約が必要になります。

電気代:単相は基本料金が安く使用量料金が高くなります、逆に、三相は基本料金が高く使用量料金が安くなります。年間の使用料によってどちらが安いかは何とも言えませんが、季節を問わずたくさん使う場合には三相、夏場や冬場でもあまり使わない場合は単相のほうが電気代はお得な可能性が高いです。

エアコン、空調機の歴史

エアコンは、アメリカで開発され日本では1957年ごろ実用化された。当初は冷やすだけの冷房専用形型が主流であったが、その後、1台で冷房と暖房ができる冷房・暖房兼用型が普及した。さらに現在は、機種によっては除湿や空気清浄機能を備えるなど、季節にかかわらず使用されるようになってきている。

エアコンディショナーの発明

1882年、フランスのカルノーが熱エネルギーから動力を得る理想サイクル(カルノーサイクル)を発表しました。1834年にアメリカのハーキンズが密閉サイクル製氷機の開発で特許を取得しました。1851年にフランスのカレーによってアンモニアを使った冷凍機が設計され商業的に使用されるようになりました。

 1902年、アメリカのウィリス・H・キャリアがはじめて温度と湿度をコントロールできるエアコンディショナーを発明し、1906年、アメリカ特許を取得しました。キャリアは、1928年に家庭用のエアコンを発売しました。

クーラーからエアコンヘ

 1935年(昭和十年)、芝浦製作所(現・東芝)が日本初のルームク―ラー(商品名:「コールデア」)を発売しました。このころは、「空気調整機」と呼ばれ、値段も300~400円と高く、主にごく少数の劇場や事務所で使われました。

 1952年、日立がウインド型ルームクーラーを発売し本格量産がスタートしました。各メーカーが参入するなかで1958年、名称を「ルームクーラー」に統一しました。この時期、ウインド型(空冷式)と、フロア型(水冷式)の二種類がありました。

1961年、三菱が家庭用で大気を熱源とした空気熱源ヒートポンプエアコンを開発しました。今日のヒートポンプエアコンの原形です。売れ行きが芳しくなく、せっかくの便利さも十分認識されませんでした。

 十年後の1971年、冷暖房の壁掛型ヒートポンプエアコンが発売され、本格的な暖房への道が開かれ、年間を通して使用できるようになりました。

 1965年、JlS規格が制定され、「ルームクーラー」は「ルームエアコン」に名称を統一しました。1967年、除湿回路付きドライタイプエアコンが開発されました。 このころから、ルームエアコンの技術開発競争が激しくなり、1978年にはマイコン制御のルームエアコンが開発・発売されました。

 1980年、東芝がインバータ制御のエアコンを開発、1992年に家庭用ルームエアコンに搭載しました。インバータ制御は、当時「インバータ革命」といってよいほど衝撃的なもので、ルームエアコンの今日を築いた基本技術です。

 1990年代に入ると、ツインロータリー圧縮機やスクロール圧縮機の出現で、低騒音化・低振動化とともに、エアコンの小型’軽量化が進みました。

 1995年、暖房・冷房・除湿・加湿・換気の空調機能搭載エアコンが発売されました。 2003年3月、富士通ゼネラルが使い勝手もよく、省エネにもなる「フィルタ自動清掃機構」搭載エアコンを発売しました。2004年以降、各メーカーからも「フィルタ自動清掃機構」付きが発売されています。ほかに換気機能、除菌とウイルスの抑制、脱臭機能など、部屋の空気清浄は完璧です。

エアコンの普及率と省エネ

 ルームエアコンは、ほかの生活家電に比べ普及が遅れました。1970年から1971年にかけて洗濯機と冷蔵庫が普及率100%へと近づいていましたが、エアコンの普及率は6~7%でした。約十五年後の1985年、エアコンの普及率はようやく50%に達し、2005年度は約86%です。 ただしこの10数年は年間約700万台の販売が続き、2008年度は758万台です。一家に一台である冷蔵庫が年間約450万台の販売量ですから、一家に二台、三台と購入されるエアコンの販売数量はさらに伸びることが期待されます。内閣府の2004四年3月消費者動向調査によれば、エアコンはすでに一家に約2.8台保有されています。 ルームエアコンは、生活家電の中では消費電力が最も多く、エアコンが家庭に占める電力消費比率は2003年度)は25.2%です。それだけに、エアコンの省エネ性能向上にむけた開発競争が活発です。


現在の省エネルギー型の代表機種(2.8キロワットクラス)は、10年前に比べて40%も省工ネ性能が向上したといわれています。また1990年代以降、地球環境問題への社会的ニーズが高まり、オゾン層の破壊防止や地球温暖化防止のために積極的に対応しています。

エアコン、空調機の原理、構造、種類、しくみ

エアコン、空調機の冷房する仕組み

エアコンの構造はエアコン本体である室内機、そして家の外にある室外機、この二つがパイプでつながれています。冷媒はこのパイプの中を通ってグルグルと循環しています。冷蔵庫と同じようにコンプレッサー、そして冷却器が、両方とも室外機の中にあります。室内機の中にあるのは、熱交換器です。

 エアコンのスイッチを入れてみます。室外機の中のコンプレッサーが始動。気体の状態にある冷媒に圧力をかけます。気体の冷媒は強い圧力によって温度が上がり、80℃程度まで達します。そして室外機の熱交換器に送られ、外気の温度まで冷やされて液体になります。このときの冷媒の温度は40℃くらい。その差40℃。この熱を外に逃がしているわけで、夏に室外機から熱風が吹き出すのはこのためです。

 液体になった冷媒はさらに進みます。毛細管という細い管から太い冷媒管に流れ込むことで、急激に膨張して温度が下がります。これは、最初に書いた圧力をかけたときとは逆の現象というわけです。液体の状態のまま約10℃くらいまで下がった冷媒は、いよいよ室内機に送られます。室内の空気より低い冷媒は、空気の中の熱により気化し、蒸発熱を奪って冷やします。そして、気化した冷媒は、またコンプレッサーに戻ってきます。このサイクルを繰り返して、部屋が涼しくなるというわけです[下図]。


エアコン、空調機の暖房する仕組み

暖房するときは、冷房のときとは逆。冷媒を循環させることによって、外の空気から熱を取り込みます。コンプレッサーで冷媒に圧力をかけて温度を上げて、室内に運ぶという仕組みです。しかし、寒い冬なら外気の温度は零度以下になってしまいます。

 そのために、冷媒にはマイナス30℃からマイナス40℃という低い温度でも蒸発する性質を持っている物質を使います。そうすれば、0℃以下であっても、それだけの温度の差があるので熱を十分に取り出すことができます。その蒸発した冷媒のガスに圧力をかけて、暖かいガスにしているのです。このように冷媒を介して外の熱エネルギーをポンプのように吸い上げるので、この仕組みはヒートポンプといわれます。限られたスペースでは電気ストーブが暖かいのですが、部屋全体を暖めるときは、熱効率の良いエアコンが向いています。


エアコン、空調機の除湿する仕組み

除湿運転は、室温をできるだけ変えずに除湿する運転であり、運転方式としては、ヒーターを使用せずに再熱する方式、風量や冷却能力をマイコンでコントロールする方式などがある。

ヒーターを使わず再熱する方式(再熱除湿方式)

 二方弁により室内の熱交換器を再熱器と冷却器に分けて使用できるようにする。再熱器では室外に捨てる熱の一部を利用して空気を暖め、冷却器では空気を冷やして除湿する。暖かい空気と冷えた空気を混合して適温の乾いた空気として吹出口から吹き出す。マイコンでコントロールする方式よりも電気代はかかるが、除湿量は多く室温を下げずに除湿運転ができる。


風量や冷却能力をマイコンでコントロールする方式

 冷房能力とは室温を下げる能力(顕熱)と除湿をする能力(潜熱)の合計である。送風量を下げることにより除湿をする能力の割合が増え室温を下げる能力の割合が減る。このことを利用してマイコンでコントロールする方式では運転開始時の室温を元に一定温度下げる冷房運転を行う。送風量と冷房能力をマイコンでコントロールし、室温を下げる能力を極力抑え除湿優先にしている。冷房運転で加熱していないため室温は若干下がる。


インバーターエアコンのしくみ

エアコンの能力は、主に圧縮機モーターの回転数で決まる。モーターの回転数が高ければ能力が上がり、低いと能力が下がる。モーター(誘導電動機)の回転数は、モーターの極数と、電源周波数によって決まり、50Hz、60Hz地区それぞれ一定の回転数となる。従来のエアコンは、その電源周波数に応じた回転数のため、一定の能力で運転していた。ここではこれを一定速エアコンという。 一方、周波数を必要に応じて自由に変える回路が組み込まれており、周波数を変化させることにより圧縮機の回転数を変え、冷房・暖房能力を可変することができるエアコンをインバーターエアコンという。 また、インバーターエアコンの効率をさらに上げるため、圧縮機と制御方式の開発・改良が行われている。圧縮機の制御方式としてはパルス電圧振幅波形変調(PAM)方式を採用している機種が多くなっている。


インバーターエアコンの特長

①室内温度の変化が少ない

一定速エアコンは能力が一定のため、コンプレッサーのON/OFFによって室温を調節しているが、インバーターエアコンは、周波数の変化に応じて能力を調整し、室温を設定温度に保つようにしているので、室温変化の少ない運転になる。

②立ち上がりが早い

 運転開始時に周波数を高くすることにより、大きい能力を出せるので一定速エアコンより早く設定の温度に達する。また、室温が設定混度に近づくにつれて能力を下げるので省エネ性も高い。

③外気温度低下時の能力改善

 一定速エアコンでは、室外温度が0℃になると、定格能力(室温2℃、外気温7℃時の能力)の約80%程度まで低下するが、インバーターエアコンは、周波数を高くすることにより能力を上げることができる。

エアコン、空調機の種類

(社)日本冷凍空調工業会の調べによると、エアコンの範囲は建物用と輸送機関用に大別できまた、のルームエアコンに加えて、業務用としても店舗用、ビル用などのパッケージエアコン、カーエアコンなどその種類は多岐にわたっています。


エアコン、空調機の分類

ユニットの構成による分類

①ウインドタイプ(窓用) ②セパレートタイプ(分離形)

室内機の形態による分類

室内機を下がり天丼や天丼に埋め込んで据え付け、ダクトを使って吸込口と吹出口を離して設置することができる。

 ①壁掛形 ②床置形
 室内機を床面に置くように据え付ける。
  1. 壁埋め込形

④天丼カセット形

室内機を壁の中に埋め込んで据え付ける。吸込口と吹出口のみが壁面から露出して いる。

室内機を天丼の中に埋め込んで据え付ける。吸込囗と吹出口のみが天丼面から露出 している。

室内機の数による分類

①シングル1対1エアコン:

室内機が1台、室外機が1台のセパレートエアコン

②マルチエアコン:

室内機が複数台、室外機が1台のセパレートエアコン

機能による分類

①冷房専用型:

冷房のみができる機種で、現在販売されている製品は少ない。

②冷房・暖房兼用型:

インバーターエアコンが開発されてから暖房能力の改善が進み、現在の主流となっている。

日本工業規格  JIS C9612:2013  ルームエアコンディショナ

解説概要:英語:Room air conditioners

この規格は,室内の快適な空気調和を目的とし,冷房,並びに空気の循環及び除じん(塵)を行う次のルームエアコンディショナ(以下,ルームエアコンという。)について規定する。ルームエアコンには暖房を兼ねるものを含む。

その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

*業務用のパッケージエアコンのJIS規格はJIS B 8616等があります。

JISC日本工業標準調査会サイト

エアコン、空調機の日本工業規格はJIS C9612 です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

エアコン、空調機の日本工業規格 JIS 9612が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず

ルームエアコンディショナ



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