衣類乾燥機の正しい選び方、使い方、メンテ、修理、買取 【図解】

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衣類乾燥機とは? 英語:clothes dryer

 日本では、以前、洗濯物は天気の良いときに干すものであり、機械(装置)に頼るような発想はありませんでした。しかし、日本海側では、冬場の天候が悪く、湿度が高いため外に干せない日や、干しても乾きにくい日が多く、衣類乾燥機の需要がありました。

さらに近年は高層住宅での屋外つり干し自粛や積極的な家事の合理化志向、洗濯機の上部空間を利用して設置するホームランドリーとして衣類乾燥機の需要が高まってきています。

 乾燥方法は、回転ドラム内に洗濯物を入れ温風を吹き込み回転させ、撹拌しながら乾燥する回転ドラム式が主流です。

衣類乾燥専用機のメリット・デメリット

衣類乾燥専用機の利点⇒乾燥時間が早い。

衣類乾燥専用機は乾燥にかかる時間が洗濯機付属の乾燥機能よりも圧倒的に早い場合が多いです。

取扱い説明書では乾燥機に洗濯物を入れる前にいったん広げてから、乾燥機に入れるように書いてあり、しわがない状態で乾燥させることができます。

この「広げる」という工程が入ることによって、乾燥時間が短くても乾燥をさせることができるのも、乾燥専用機の利点です。

衣類乾燥専用機の短所⇒設置場所が必要

衣類乾燥専用機は、洗濯機とは別に設置する必要があります。

大きな商品ですから、専用の設置台をセットし、その上に乾燥機を設置するということで、二人かがりの作業が発生します。

衣類乾燥機の設置台は、洗濯機から台を伸ばす方式(直付タイプ)のものと、設置台が独立してどんなメーカーの洗濯機が下にあっても大丈夫な方式があります。衣類乾燥機が洗濯機と同メーカーであれば、洗濯機から台を伸ばす方式のものが良いでしょうし、洗濯機と違うメーカーであれば、設置台が独立した(自立スタンド)を選ぶことになります。


 衣類乾燥機の歴史

 1930年(昭和五)年、アメリカのJ・ロス ムーアが衣類乾燥機を製作(試作)しました、彼は、これをガスと電気の両方に使えるように発展させ、1936年に特許を取りました。

1937年、ムーアはお金に困り特許をミルトン社(医療用・研究用などの家具メーカー)に売りました。ミルトン社では、ブルックスースティーブンスが設計を見直し、衣類乾燥機のドアに窓を取り付けました。1938年から1941年にかけてミルトン社は6000台以上を販売しました。


日本では、1966年(昭和四十二年)に、電気式は松下から、ガス式は三洋からほぼ同じ時期に発売されました。どちらも回転ドラム式でしたが、前者はコンパクトで、後者のほうが本格的(乾燥容量1.8kg)でした。

 このとき、アメリカではすでに年間236万台もの衣類乾燥機が販売され、普及率は30%を超えていました。

 1970年、松下が上面のフラットな箱型の電気式衣類乾燥機(乾燥容量2kg、三万七九〇〇円)を発売します、ガス式衣類乾燥機に比べ、電気式衣類乾燥機の構造は比較簡単であり、各メーカーも箱型を発売します。 1970年代には、都市部で町の美観を損なうとの理由で、洗濯物を外に干すことが問題視されるようになりました。衣類乾燥機は「町の美観」問題に後押しされ、都市部での販売台数を伸ばしました。


衣類乾燥機の原理、構造、種類、しくみ

回転ドラム式電気衣類乾燥機は、洗濯・脱水した洗濯物をドラム内に入れて回転させ、洗濯物を撹拌しながら温風を送り乾燥を行っている。

 モーターによってドラムと送風ファンを回転させ、ヒーターによって温められた空気を送風ファンでドラム内に送り込み、洗濯物を乾燥させる。 ドラム内面には突起物(バッフル)を設けて洗濯物を持ち上げ、落ちるときに温風が効率よく当たるようにしている。

 回転ドラム式電気衣類乾燥機は、蒸発した水分の処理方法により、排気型と除湿型に分けられる。


除湿型衣類乾燥機

除湿型は、排気ダクトが要らない衣類乾燥機である。洗濯物の水分で高湿度になった空気を、機内に設けた熱交換器で凝縮させ水として排出するため、高湿度の空気は機外に出ないようになっている。この熱交換器には、フィン型熱交換器と両面ファン型熱交換器があり、現在は両面ファン型熱交換器が多く用いられている。循環用空気には、衣類を乾かす乾燥用空気と、熱交換させるための冷却用空気がある(下図)。


 乾燥用空気は、ヒーターで加熱され、ドラム内で衣類に含まれている水分を蒸発させた後、両面ファンの内側面の送風機能によりドラム内から吸気され、ダクトを通して再びヒーターへと送風される。つまり、乾燥用空気はドラム⇒両面ファンの内側面やダクト⇒ヒーターの順で風路内を循環する。

 一方、ドラム内で衣類から蒸発した水分を含み、高温・高湿度になった乾燥用空気を冷却する冷却用空気は、両面ファンの外側面の送風機能により機外から吸気され、再び機外へと排気される。ここで、両面ファンを介して乾燥用空気と冷却用空気は熱交換を行う。すなわち両面ファンの内側面と外側面に温度差が生じ、乾燥用空気に含まれている水蒸気が、両面ファンの内側表面で凝縮し乾燥用空気は除湿される(下図)。


凝縮した水は、遠心力により振り飛ばされ、集められた後、排水口から機外へ排出訪れる。乾燥の終了は、ドラム出口とヒーター入口にそれぞれ設けられた温度センサーの温度差から衣類の乾き具合を検知し運転を停止する。

排気型衣類乾燥機

ヒーターで加熱された洗濯物の中の水分が蒸発し高湿度になった空気を、そのまま機外(室内か室外)に排出する方式である。室内に排出した場合、閉め切った部屋では高温・高湿度になる。室外へ排出する場合は、排気口を設けて排気ダクトを接続し直接室外に排出する。


電気とガス式 比較  熱源の種類と特長

熱源には電気式のほかにガス式などがある。

1)電気式

  電気式の熱源としてはセラミックヒーター、シースヒーター、鉄クロム線ヒーターな  どがある。現在では、セラミックヒーターが主流になっている。セラミックヒーターは  PTCヒーターまたは半導体ヒーターともいう。

  電気式の特徴としては、

  (ア)安全性か高い。

  (イ)排気ガスが出ないので清潔である。

  (ウ)自動制御しやすい。

  (エ)構造が簡単で安価である。

2)ガス式  

  ガスを熱源としており、主にコインランドリーなどで使用されている。

  ガス式の特徴としては、

  (ア)乾燥時間が短く、維持費が安い。

  (イ)排気ダクトの工事が必要となるため工事費がかかる。

  (ウ)多くの安全装置が必要となり初期投資が高い。

セラミックヒーター(PTCヒーター)

 セラミックヒーターは、PTC(Positive Temperature Coefficient Thermister : 正抵抗温度特性サーミスター)ヒーターのことで、素子は正の抵抗温度係数を有する抵抗体で、チタン酸バリウムが主成分である。半導体ヒーターとも呼ばれる。

1)セラミックヒーター(PT(ヒーター)の特性

セラミックヒーターは、素子の冷却量によって発熱量が自動的に制御される優れた性質をもっている。鉄クロム線、シースヒーターなどは送風量に無関係に発熱量は一定であるが、セラミックヒーターは素子を通過する風量と風の温度の影響を受け、風量が増加するに従い発熱量が増加する。


フィルターが目詰まりして風量が下がると、発熱量は減少する。また、風の温度が低いほど発熱量が増えるため、冬期室温の低いときは多く発熱し夏期室温の高いときは発熱量は自動的に制御される。


2)セラミックヒーターの構造

 下図のように、セラミックヒーターは発熱体をアルミ放熱板で挟み、その上に電極となるアルミシートを接合している。アルミシートに電圧をかけると、放熱板を通じ発熱体に電流が流れ発熱する。冷風は放熱板を通り暖められる。


3)セラミックヒーターの特長まとめ

  ①自己制御型発熱体であり、信頼性、安全性に優れている。

  ②ある程度まで温度が上がると、抵抗が増えて電流が流れにくくなるため、異常に加熱することがない。

  ③赤熱せず、断線やねじれることがない。

  ④風量に比例した発熱量が得られる。発熱量の無段階調整が可能であり、フィルター目詰まり時の安全性も高い。

  ⑤周囲温度が低い冬期は発熱量が多く、高い夏期は発熱量が少なくなる。

日本工業規格JIS C9608-1993回転ドラム式電気衣類乾燥機

解説概要:英語:Tumbler type electric clothe dryers

この規格は,電動機及び電熱装置をもった標準乾燥容量 6kg 以下,定格消費電力 5kW 以下の家庭用回転ドラム式電気衣類乾燥機(以下,乾燥機という。)について規定する。

その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

JISC日本工業標準調査会サイト

回転ドラム式電気衣類乾燥機の日本工業規格は IS C9608-1993です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

回転ドラム式電気衣類乾燥機の日本工業規格 JIS C9608-1993 が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

回転ドラム式電気衣類乾燥機


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