換気扇、レンジフードの選び方、使い方、掃除、交換、修理【図解】

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換気扇とは? 英語:Ventilator

 換気扇の役割は、室内の汚れた空気を屋外に排出すると同時に、人の呼吸維持に必要な新鮮な空気を供給することです。大人一人が1時間に消費する酸素の量は、大体21リットルといわれています。

 換気扇は、風呂場の蒸気や台所の煮炊きの湯気や油煙の排出も行います。 この働きにより、結露によるカビの発生や、床、壁の傷みも防ぐことができます。また、換気が不足するとダニの繁殖や、建材から発生するホルムアルデヒドなどの揮発性有機化合物によるシックハウス症候群などの問題も生じてきます。

 このように、換気は「除塵」、「脱臭」、「室温調節」、「除湿」などに大変有効です。

 最近の住宅は年々気密性が良くなり快適さが増す一方で、汚れた空気はすばやく入れ替える必要があります。したがって、目的に応じた各種換気扇の設置と、適切な換気計画の立案が重要となっています。換気計画を有効に機能させるには、建物のすき間を極力少なくし、給気と排気をコントロールする必要があります。

 室内の空気が汚れているかどうかの判断基準には、二酸化炭素(Co2)の濃度がよく用いられます。二酸化炭素は、一酸化炭素のようにわずかな量で人体に影響を与える有毒なガスではありません。しかし、二酸化炭素は室内空気の汚染の状態を代表していると考えられ、その濃度が高い部屋では、ほかの人体に有害な汚染物質の濃度も高く、悪い空気環境ということになります。

 換気には、自然の力を利用する「自然換気」と、機械(換気扇)の力を利用する「機械換気」があります。また「機械換気」は、「局所換気」と、「全体換気」に分かれます。

 従来の日本の伝統的な家屋のように、すき間から必要な換気量を賄うのを「自然換気」と呼びます。必要な場所に、必要な量の新鮮な外気を供給する方式を「機械換気」と呼びます。

 「機械換気」のうち、浴室やトイレ、台所など、局所的な湿気や臭気などを集中的に排気することを「局所換気」といい、通常これらの箇所には専用の換気扇を設置します。

家の中で最も空気が汚れるのは台所です。この汚れた空気を排出するのがレンジフードファンなど、台所専用換気扇であり、ガスコンロなどの真上に取り付けられる「局所換気」です。

 一方、多くの部屋を、同時に換気することを「全体換気」と呼びます。 各部屋には空気の取り入れ口(給気口)を設け、建物の中心部に設置されて風量が多く風圧の高いダクト用換気扇などが使われています。

 最近は、浴室用換気乾燥機がトイレやほかの部屋も併せて換気するなど、汚れた空気が発生しやすい台所のレンジフードファンと組み合わせた「全体・局所併用換気方式」が普及しつつあります。

また換気回数は、部屋の換気量(新鮮外気の供給量)を部屋の容積で割った値とされています。 最近の気密化が図られている家屋では一時間当たり0.5回以上の換気が必要であるといわれています。

 2003(平成十三)年7月、建築基準法が改正されました。これは、室内のカビなどの原因となる結露や、シックハウス症候群を引き起こすとみられるホルムアルデヒドなどの化学物質の使用による室内汚染を防ぐための「常時換気」を法律で義務づけたものです。

換気の種類

第1種換気法 機械排気・機械給気

換気方式の中で最も確実な換気が可能で、空気の流れが制御しやすく、比較的気密の低い住宅でも安定した換気効果が得られます。また、換気による熱負荷を低減させる熱交換を用いることも可能です。戸建て、マンションともおススメです。

第2種換気法 自然排気・機械給気

給気系にフィルターをかませることで室内の空気質を向上させることができます。ただし、冬期の壁体内結露に注意を払った工法の住宅への採用をおススメします。

第3種換気法 機械排気・自然給気

低コストで計画換気が可能ですが、気密性が低い住宅では、確実な換気が行なわれないので注意が必要です。


 換気扇の歴史

わが国では、1925(大正十四)年に芝浦製作所(現・東芝)がはじめて羽根径30および40センチメートルの換気扇を開発しました(図1)。当時は名称が確定せず、「換気扇」、「通風扇」、「排気扇」、「排風扇」などと呼ばれていましたが、「排気扇」が一般化していました。1928年ごろから家庭用と業務用を販売しましたが、当時、排気扇が取り付けられたのは、主に劇場、映画館、公会堂、病院などに限られていました。


 1951(昭和二十六)年ごろから「換気扇」という名称が使われました。しかし一般には、なかなか換気扇への認識が広がらず、1960年以降になってやっと必要性が認められてきたのです。

 1956(昭和三十二)年に、日本住宅公団(現・(独)都市再生機構)が賃貸住宅の建設をはじめてまもなく、各家電メーカーに公団住宅専用の換気扇を開発するよう要請がありました。これにより換気扇という商品が世に知られるようになりました。換気扇は、それ以前からあったものの、特に戸建住宅では「部屋の空気を換えるには、戸や窓を開ければ済む」という考えが一般的でした。

1965年、各メーカーバラバラであった換気扇の取り付け枠の寸法をJISで定め、互換性を持たせました。このころから、工業用や農業・畜産向けなど用途は広がりました。

 1968年、高層住宅向けのダクト用換気扇が開発され、続いて1970年には部屋の冷気や暖気を逃さない全熱交換型換気扇など時代を反映した新製品が開発され、換気扇需要は拡大してきました。

 換気扇もほかの生活家電同様、マイコンやセンサ、インバータといった新技術が採用され、拡大の一途をたどり、市場の大きな商品に育ちました。

また、近年は住宅の高気密化、建築基準法改正など最近の変化のなかで省エネ性、快適性に直結する二十四時間換気扇、熱交換型換気扇の機能などが普及してきてます。

換気扇の原理、構造、種類、しくみ

一般家庭で使用される換気扇を大別すると、次のような種類がある。

標準換気扇

一般家庭の台所で最も多く使用されているプロペラ式換気扇は、シヤッター開閉方法の種類により次の3タイプがあり、用途や場所に応じて選定する。

  ①連動式

スイッチひもを引くことにより、その力で機械的に屋外側のシヤッターが開き同時にスイッチが入るタイプで、排気専用タイプと給排気タイプがある。

  ②電気式

電源を入れると、プロペラのモーターが回るとともに、シヤッター開閉装置の力によりシヤッターが開くタイプで、電源が切れるとバネの力でシヤッターを閉じるしくみになっている。本体にスイッチひもは付いていない。

  ③風圧式

プロペラの回転による風圧でシヤッターを開くタイプ。構造が簡単なため、風の強いときなど外風圧によりシヤッターのバタツキ音が発生する場合がある。


レンジフードファン 英語:range hood

レンジフードファンとは、キッチンコンロの上に設置され、換気扇をフードで囲い油煙などを効率的に捕集レダクトを使用して遠くに排気(給気)できる特長がある。大別すると、次の2タイプがある(下図)。


①深形タイプ

本体上部にダクト接続口などが収納されていて、本体のパネルは天井面まである。 このためシステムキッチンとのデザインが統一できるが、上部につり戸棚などが設置されている場合は不向きである。排気専用のタイプ以外に同時給排気ができる夕イプがある。

②浅形タイプ

 キッチンのつり戸棚の下に取り付けられるよう、薄形にまとめられたレンジフードファンで、深形タイプのように同時給排気はできない。

浴室換気乾燥機

 外干しできない雨の日や、冬場などに便利な衣類乾燥運転ができます。また、風呂に入る前にあらかじめ暖めておける予備暖房や、換気、給気もできる万能のダクトファンタイプです。

 最近の傾向としては、トイレ、洗面所など二室用、三室用が好評です。圧力型のダクト換気により、運転停止後、常時換気運転モードへ自動的に切り替わるなど、住宅の全体換気などの主力換気扇の位置づけです。

 浴室換気乾燥機は、外風の影響や室内の各扉や窓の状況に関わらず一定の換気量を自動調整する定風量運転機能、サウナ浴感覚のミストサウナ機能など、新しい機能が付いた高機能の商品も出てきています。

 浴室換気乾燥機は、2009年4月よりスタートした「長期使用製品安全点検制度」と「長期使用製品安全表示制度」の対象商品となり、設計上の標準使用期間到達時に安全点検が義務づけられます。

 

ダクトファン・中間ダクトファン

 住宅の気密性の向上に伴い、静圧の高い各種のダクト用換気扇が普及してきました。ダクト用換気扇は、居室など局所換気のほかに、天井裏などに隠蔽設置するなどの利用が増えています。

 これを中間ダクトファンと呼び、ダクト(管)により二室、三室など複数の部屋から換気する集中型換気扇です(下図)。浴室換気乾燥機と洗面所、トイレを連動するタイプもあります。とくに、集合住宅では中間ダクトファンが普及しています。


熱交換型換気扇

 一般的な換気扇は、夏ではせっかく冷やした冷気を、冬では暖めた暖気を逃がしてしまうというエネルギーの損失があります。

それを改善するのが熱交換型換気扇です。 熱交換型換気扇には、熱交換素子という特殊な紙などでできか熱交換器が内蔵されています。この特殊加工した紙状の板にすき間を設けて、タテヨコ交互に何層にも重ねます(下図)。


 そのすき間に冷たい空気と暖かい空気(給気と排気)を交差させることにより、熱交換素子を介して、室外の新鮮な空気が室潟に近い温度まで熱交換されます。もとの温度と湿度を室内に戻すことを「全熱交換」と呼びます。熱交換型換気扇は、空気を狭い熱交換素子の間を通すため、静圧の高いシロッコファンやターボファンが使用されます。

 その効果は、同時給排気で換気しつつ、約70%もの熱エネルギーを回収できる省エネ型の換気扇です。空気は入れ換えますが、エネルギーは逃しません。さらに、給気時に外気の花粉やはこり、虫などが入らないように、空気清浄フィルタなどで防ぐ構造となっています。居室用のIパイプ型、壁埋込み型、天井埋込み型など多くの種類があります。

 家の中心に全熱交換の換気システムを設置し、すべての居室を換気する方式が集合住宅から普及てきています。

 建物全体も各部屋も気密性が向上した今、換気扇は大変重要な位置づけにあります。換気扇が単に空気を入れ換えるだけでは、エネルギーが放出されて大きなむだを発生させることになるのです。

 換気システムは、エアコンなどほかの機器を含めた家庭の総エネルギーを集約する大事な機器です。

 例えば、レンジフードファンと浴室用、トイレ用の換気扇は、油煙や蒸気、臭気を排出する専用(局所)換気扇にして、そのほかのすべての換気システムを、全熱交換型換気扇のような省エネタイプに置き換えることができます。全熱交換型換気扇では、回収率をもっと向上させたいものです。さらに、二十四時間トータル換気システムは、常時運転によるエネルギー消費が発生しますので、室内空気の汚れ具合に応じたセンサなどの応用により、適時間欠運転するなど検討の余地がありそうです。

 最近の商品動向は、戸建て住宅ではパイプ用ファンを使ったダイレクトシステムが、マンションでは浴室換気乾燥機を使った換気システムが、アパートではダクト用換気扇の多室用が主流となっているようです。

24時間換気設備

 建築基準法改正に伴い、新築や改築の住宅には24時間換気が可能な換気設備の設置が義務付けられ、2003年7月1日(着エベース)から施行された。 個々の部屋を単独に換気するものと、住宅全体を換気するものなどがあり、汚染物質が滞留しない環境をつくり出す、24時間換気対応浴室暖房換気扇は一般的な浴室暖房換気扇の機能のほかに、24時間換気システムのための集中排気ユニットとして使用することができる。


24時間換気扇(単体)

 寝室、リビング、浴室、洗面所などの居室に機器単体で設置し、24時間(常時)換気を行う。通常の換気扇に比べて、低風量、低騒音、低消費電力量となっている。

24時間換気システム

 浴室暖房換気扇と、他の居室に設置した給気囗または紿気用換気扇などをシステム化することにより、複数の居室と浴室、洗面所、トイレまたは住宅全体の24時間換気を行う。

 

動画 換気のお話(熱交換気システム)

換気のお話をわかりやすいアニメーションでご紹介

換気扇 ファンの種類と特徴

 軸流ファン

 通称プロペラファンと呼ばれ、台所用・窓用などの一般換気扇やパイプファンに使われています。静かで風量を必要とするところに用います。モータの力を強くし、静圧(ダクトなどの狭い場所を空気が通るときに生ずる力)を上げた有圧換気扇にも使われています。

 遠心ファン

 シロッコファンターボファンに分かれます。前者はダクト用換気扇、深形レンジフードファン、全熱交換ユニットに使われています。後者では浅形レンジフードファン、トレコンに使われています。圧力型で外風の影響を受けにくくなっています。

横流ファン

 ラインファンと呼ばれ、サーキュレータ、エアカーテン、エアコン室内機など、静かで幅広い風を要求されるところに使われます。

混流ファン

 ミックス(斜流)ファンと呼ばれ、パイプファンに用いられます。プロペラファンにひねりを加え、静圧を上げたものです。


日本工業規格 JIS C 9603 -1988 換気扇

解説概要:英語:Ventilating Fans

この規格は,家庭,事務所などで使う換気扇のうち,誘導電動機によって駆動される軸流形の羽根をもったものについて規定する。その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

JISC日本工業標準調査会サイト

回転ドラム式電気換気扇の日本工業規格はJIS C 9603 -1988 です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

換気扇の日本工業規格 JIS C 9603 -1988 が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

換気扇


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