除湿機の正しい選び方、使い方、メンテ、修理、買い取り【図解】

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除湿機とは 英語:dehumidifier

除湿機は除湿器とも称され、多湿時に汗が乾きにくいために人間が感じ取る不快指数を下げるために使用される。また、衣類の乾燥や乾燥圧縮空気の供給にも使用される。

空気調和の4要素は[温度][湿度][気流][清浄]である。その中の湿度は、高すぎるとカビの発生などをもたらす。

近年のトレンドは、衣類乾燥。花粉やPM2.5、黄砂の飛散といった環境問題から室内干しする人が増えたことが要因です、「除湿機」ではなく「衣類乾燥除湿機」と称しているメーカーもあります、ただ、基本的に衣類乾燥除湿機といっても除湿機と構造は同じです。なお、加湿機能を併せもったものは湿度調和機と呼びます。

除湿とは? 快適な室内環境

1.結露

 コップに冷たい水を注ぐと、コップの周りの空気が冷やされて、コップの表面に水滴が付く。このように空気中の水蒸気が凝縮して水滴に変わる現象を結露という。凝縮とは、気体が冷却、または、圧縮されて液体に変わる現象のことである。

1)温度と湿度の関係


(2)飽和水蒸気量

 飽和水蒸気量とは1m3の空気に飽和(最大)する水蒸気量(g)で温度が高くなると、水蒸気の量を多く含むことができる。低温になるほど少ない水分しか含むことができない。

(3)相対湿度

 相対湿度とは、空気中に含まれる水分の割合をパーセント(%)で表したものである。

 相対湿度(%)=

 (空気中の水蒸気量(g/m3)/
空気中の飽和水蒸気(g/m3))×100

 (4)除湿

 上表の場合、温度35°Cで相対湿度80%時の水蒸気量は、31.7 gである。この空気の温度を20゜Cに冷やすと、結露が起こり、31.7 g-17.3 g= 14.4 gが水に変わる。 この結果、14.4 gの水分を取り除くと、除湿されたことになる。

2.快適な温度・湿度

(1)カビが発生する条件

 (a)温度20~35℃湿度60%以上で栄養源の物質があるところで発生する。

 (b)湿度が75~60%になると、さらに増殖する。

 (c)湿度が55%以下になると、カビの発生は抑制される。

 (d)温度が36℃以上、または、6℃以下なるとカビの発生は鈍る。

(2)ダニが発生する条件

 温度が20~35℃になると、ダニは活動する。

 温度が35℃以上なると、生育できなくなる。

 湿度が55%以下になると、ダニの死亡率は高くなる。

(3)ウイルスの条件

 ウイルスは、低温・低湿度を好む為、湿度が低くなると活動が活発になる。このため、人間が咽喉を痛めたり、風邪をひきやすくなる。また、低温・低湿度は静電気が起きしやすくなるなど不快な現象を引き起こす。

(4)快適な室温

a)快適な湿度は、45~60%である。

b)健康に良い映適々温度は、夏季:27~28℃ 冬季:16~20℃ある。外気との温度差は5℃以内で、また、床から1.2 m以内の温度差は、2℃以内に抑えることである。

c)清潔で新鮮な空気を取り入れる(換気)。

不快指数とは?

蒸し暑さを表す指数としてよく耳にするが、計算式はいろいろある。ここでは、比較的簡単に計算できる、アメリカのE. C. Thomが1958年に提案したものを紹介する。

不快指数=(乾球温度十湿球温度)×0.72 + 40.6

不快指数による不快の程度も表現の違いがあり、その例を下表に示す。

不快指数

不快の程度

85以上

暑くてたまらない

80以上

暑くて汗がでる

75以上

やや暑さを感じる

70~74

不快を感じない

出所:理科年表

 除湿機の歴史

我が国で初めて除湿機が発売されたのは昭和27(1952)年。最初は、除湿に対する関心の高い倉庫・電話交換室・図書室など業務用として使用するために開発されました。

その後、生活様式の変化により、住宅の洋風化が流行するのに伴い、壁に結露やカビが発生し、家具や建具が歪んだりする湿害が発生しました。この湿気を追放する除湿機の需要が高まり、昭和42(1967)年に家庭用の除湿機が国内で初めて発売されました。 価格は、35,000円でした。

除湿機の原理、構造、種類、しくみ

除湿方式はコンプレッサー式とデシカント式(ゼオライト式)があり、この2つの方式を組み込んだハイブリッド式除湿機も発売されている。

コンプレッサー式除湿機

 冷たい水をコップに入れておくと、コップ表面に水滴が付く。これは、空気の水分がコップ表面で冷やされ、結露(凝縮)するからである。 コンプレッサー式除湿機は、冷たい水の代わりに冷蔵庫やエアコンなどに使われている冷凍サイクルをコンパクトにまとめたものである。

コンプレッサー式除湿機の除湿行程

  ①湿気を含んだ空気は冷やされた蒸発器(エバポレーター)で水分が凝縮し水滴になる。

  ②水滴はドレンパンに集まり、タンクへ落下する。

  ③除湿されて乾いた冷たい空気は、凝縮器(コンデンサー)を通り暖められる。

  ④吹出口からは、吸い込んだ温度より少し高い温度の乾燥した空気が排出され、部屋は除湿される。

このように、除湿機は、蒸発器で冷やされた空気を凝縮器で暖めているので、条件にもよるが、室温は若干(1~5℃)高くなる。

【メリット】除湿できる量が多いので、湿度の高い季節に有効。デシカント式のようにヒーターを使用しないため、消費電力がデシカント方式のおよそ半分で済むうえ、室温があまり上昇しない。

【デメリット】気温が低いと除湿力が落ちるため、冬場の結露対策には向かない。コンプレッサー(圧縮機)を内蔵しているので本体サイズや動作音が大きくなりがち。


冷風と温風の吹き分け

 従来のコンプレッサー式では、上記のように冷風は凝縮器で暖められ除湿され乾いた温風が出ていたが、最近は冷たい風と暖かい風の吹き分けができるタイプが登場した。吹き分けタイプは、本体に設置されたシャッター(ダンパー)によって、風路を切り替え、冷たい風と暖かい風を吹き分けるので、スポットクーラーのような使い方ができる(除湿機は部屋全体を冷房することはできない)。


霜取り運転

 室温が低いと蒸発機の温度が氷点下になり凝縮した水分が霜となって蒸発器に付着する。霜が蓄積すると霜が熱交換を妨げるため除湿能力は低下する。蒸発器の温度センサーが一定温度以下を検知し、霜取りタイマーの時開か一致したとき霜取り運転を開始する。

霜取り運転は冷媒回路内の二方弁を切り替え、蒸発器へ高温高圧の冷媒を流して霜を溶かす。蒸発器の温度センサーが一定温度以上になると、霜取り運転を終了し除湿運転を再開する。

デシカント式除湿機

デシカント式除湿機は、コンプレッサー式のようにフロン冷媒(フルオロカーボン)を使用しないことを特長とし、吸着剤(ゼオライト)で空気中の水分を吸着する。吸着した水分をヒーターで熱して水蒸気にし、熱交換器で冷却して凝縮させ水にして排出する。

 デシカントとは乾燥剤あるいは吸湿剤という意味である。除湿機に使用されている吸着剤(ゼオライト)は多孔質で微細な穴に水分を吸着し、加熱すると水分を放出する特性をもっている。

 なお、デシカント式除湿機は、コンプレッサーを使用していないので、製品質量はコンプレッサー式除湿機より小さいが、加熱ヒーターを使用しているので、消費電力は大きい。

【メリット】吸着した水分をヒーターで温めるため、気温に左右されずに一年中安定した除湿ができる。コンプレッサーがないので、本体サイズや運転音が比較的小さい。

【デメリット】ヒーターを使用するため、消費電力が高い。室温が上昇しやすいので、夏場にはあまり向かない傾向

デシカント式除湿機の除湿行程

  ①湿った空気が除湿ローターを通過するとき、水分が除湿ロータ(ゼオライト)に吸着される。

  ②除湿ローターが回転し水分を吸着した部分がヒーターで加熱されると、吸着された水分は水蒸気となる。

  ③水蒸気は樹脂製の熱交換器内で室内空気によって冷やされ凝縮し水になる。

  ④水はサブタンクからタンクに流れ落ち貯水される。

  ⑤ヒーターで乾燥した除湿ローターは再び湿気を吸着する。

  ヒーターを使用して除湿ローターを加熱しているので、吸い込んだ空気より高い温度の空気が排出される。条件にもよるが室温は3~8℃高くなる。


ハイブリッド式除湿機

コンプレッサー式とデシカント式の構造を組み合わせたタイプ。夏場はコンプレッサー式、冬場はデシカント式で運転することにより1年中高い除湿能力を保つ。


除湿機の除湿特性

コンプレッサー式除湿機

 コンプレッサー式除湿機は、部屋の湿度を一定にした場合、室温によって除湿量が変化する。そのためカタログでは、室温27°C、相対湿度60%を維持する部屋で運転した場合の除湿量を記載している。 コンプレッサーのモーターは単相誘導モーターを使用しているので、回転数が60Hzより50Hzのほうが低い。このため除湿能力は60Hzより50Hzのほうが小さい。


デシカント式除湿機

 デシカント式除湿機の除湿能力は、室温20℃、相対湿度60%を維持する部屋で運転した場合の除湿量を表示している。デシカント式の除湿特性は、コンプレッサー式と比較すると低温での除湿能力の低下が少ない。


除湿可能面積の目安

カタログなどにある除湿可能面積の目安は、除湿能力と下表に示す単位床面積当たりの除湿負荷から算出して表示されている。

 例えば、除湿能力(50/60Hz)が9.0/10.0(L/日)の除湿機を、一戸建て(木造住宅)和室で使用する場合の除湿可能面積の目安(50Hz)は下の式で計算される。


除湿可能面積の目安=除湿能力/1日1m3当たり必要な除湿量=9.0/0.480=18.75m2≠11畳

 また、下表の数値から部屋の面積と構造が分かれば、次の計算式でその部屋の1日当たりの必要除湿量が算出でき、機種選定の目安としても使用できる。

 部屋の必要除湿量=1日に1 m2当たり必要な除湿量(表の数値)×部屋の面積(m2)

 例えば1戸建て木造13m2 (約8畳)和室の部屋の場合、下表の0.480 L/日m2を使用して計算する。

 部屋の必要除湿量= 13 (m2)×0.480 (L/日m2) = 6.24 (L/日)

 これから13m2の部屋での1日当たり必要な除湿量が分かり、カタログから機種を選ぶ目安とすることができる。

単位面積当たりの除湿負荷(JIS C 9617 附属書1抜粋)

1日lm2あたり必要な除湿量  L/日m2

単位床面積あたりの除湿負荷算出の条件

換気回数 (回/h)

壁体などの材質

壁一天井

   集合住宅 コンクリート造0軽量ゴングU-卜造り

和室

0.330

0.5

条件記載あるが省略

条件記載あるが省略

洋室

0.240

一戸建て住宅(プレハブ住宅)

和室

0.405

0.75

洋室

0.315

一戸建て住宅 (木造住宅)

和室

O、480

1.0

洋室

0.390

衣類乾燥モード

 洗濯物は雨の日や湿度の高い日は乾くのに時間がかかるし、風の強い日に屋外に干すと花粉やホコリが衣類に付着する。また、屋外に洗濯物を干すスペースがなかったり、干したり取り込んだりする時間がない場合がある。このようなときは除湿機を利用して屋内干しをすることができる。ほとんどの除湿機には衣類乾燥モードがあるので、このモードを使う。衣類乾燥モードを使用する際には、次の点に注意すると良い。

①洗濯物は風がよく通るように間隔をあけて干す。また洗濯物、全体に風が当たるようにするとよい。風が当たらないところは乾くまで時間がかかる。

②小さい部屋で閉め切って除湿運転をするとよい。

③室温が低いときは暖房機を併用して室温を上げると乾きやすくなる。

満水検知モード

タンクが挿入されていないとき、およびタンクに規定量の除湿水がたまった場合、運転を停止する機能。下図に動作原理例を示す。

 タンクを挿入すると、フロートレバーが押し上げられて、スイッチスプリングを介してマイクロスイッチがONして、タンクの挿入検知を行う。

 タンクに除湿水が貯まってくると、フロートスイッチ組み立てのフロートが浮き、フロートスイッチ内部組み立てのリードスイッチが作動し満水を検知する。


除湿機 水止め機構モード

タンクを取り出したあと残った除湿水が滴下しないようにする機構である。下図に動作原理例を示す。タンクを挿入すると水止め具が開き排水できるが、タンクが無い状態では、スプリンブの力により、水止め具でドレン囗を閉じる。

 

日本工業規格 JIS  C 9617-1992 電気除湿機

解説概要:英語:Dehumidifiers

この規格は,室内の湿度を低下させることを目的とし,圧縮式冷凍機,送風機などを一つのキャビネットに内蔵したもので,除湿能力を発揮するのに必要な電動機によって消費される電力の合計が 500W 以下の電気除湿機((以下,除湿機という。)について規定する。

*電気除湿機とは熱交換器で冷却,除湿した空気を再加熱する方式のものをいい,再加熱は熱交換器のほかに電熱装置などの加熱方法による除湿も含む。

その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

JISC日本工業標準調査会サイト

除湿機の日本工業規格は JIS C 9617 です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

電気除湿機の日本工業規格 JIS C 9617が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず。

電気除湿機


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