ウォシュレット、温水洗浄便座の取り付け方、掃除、選び方、使い方、修理 【図解】

ウォシュレット、温水洗浄便座とは? 英語:Washlet

温水洗浄便座とは、暖房便座に温水洗浄装置を組み込んだもので、温水発生装置から得られた約38°Cの温水をノズルから吐き出し、おしり洗浄、または、おしり洗浄およびビデ(BIDIT)を行う装置である。

温水洗浄便座は、高齢化・健康意識の高まりの中、清潔・快適性を求めておしり洗浄・ビデ洗浄の要求が増大し、一般家庭や公共施設・ホテルなどにおいて急速に普及してきた。 この温水洗浄便座は、清潔感のあるトイレとして親しまれ、一度使用すると手放せない必需品でもあるため普及率も72% (2010年内閣府調査)を越えるようになった。

名称のウォシュレットはTOTOの商標(ブランド名)で一般名称は「温水洗浄便座」と言います、INAXでは「シャワートイレ」やパナソニックでは「ビューティ・トワレ」などと呼んでいます。

  

 ウォシュレット、温水洗浄便座の歴史

1964年、東陶機器(現TOTO)が温水洗浄便座の原型となる「ウォッシエアシート」をアメリカから輸入販売したのが始まりです。この「ウォッシュエアシート」は、主に障害者、病院での局部疾患、手術後、産後の方のための医療福祉機器で、「洗浄」と「乾燥」のみの機能だったそうです。ただし、価格も7万9000円と当時の平均月給より高い高級品で、一般にはほとんど知られていませんでした。 しかし、品質が安定しなかったという理由から、TOTOでは1969年、国産化を行いました。ところが、あらかじめ沸かしておいたお湯と冷水を混ぜて温水としていたため、温水の温度が安定せずに火傷になってしまった人もいたそうです。

 このような欠点を補い、新たに開発されたのが「ウォシュレット」で、1980年のことでした。この「ウォシュレット」の開発では、肛門に温水を当てるため、たいへんな苦労をしたそうです。背が高いか低いか、太っているか痩せているか、皆それぞれ体格が違います。それでは、いったいどの辺に向けて水を出せばよいのか。当時、そんなデータはいっさいありませんでした。

 そこで、開発担当者は、社内の人間をつかまえては、便器を置いた実験室へ連れていくという強行手段を実施。その部屋にあった便器には、針金が張られており、そこに座った人の肛門の直下に紙を貼ってもらうという方法でした。もちろん、そんなことに協力することを嫌がる大がほとんどでしたが、熱心な担当者の口説きで協力する人がしだいに増えて、最終的には300人以上のデータを取ることができたということです。

 その結果、日本人の平均的な肛門の位置にしっかり温水を当てるには、ノズルの長さが6cmで、温水の噴射角度は43度が最適だということでした。

 1982年、話題のタレント戸川純を使った「ウォシュレット」のCMは、コピライター仲畑貴志による「おしりだって洗ってほしい」というコピー。このCMは「おしり」という言葉をコピーに使ったことで、そのインパクトは強烈でした。もちろん、賛否両論あり。しかし、このCMのおかけで「ウォシュレット」は一般家庭でも認知され、急速に普及するようになったのです。

 初期の製品は、便座本体に操作パネルが付いていたため、身体をひねりにくい高齢者や障害者にとっては、なかなかうまく操作できないという問題がありました。そこで、1987年、手元で操作できるリモコンのタイプが登場しました。さらに、1999年には、洗い心地、省エネ、節水といった機能を追求した製品も登場しました。

動画 昔のウォシュレットのCM

ウォシュレット、温水洗浄便座の構造

温水洗浄便座の基本構造図の解説

下図は一例として一般的な便器に取り付けられた温水洗浄便座の構造図と各部の名称である。

(a)水は止水栓を通り分岐(ぶんき)金具へ入り,便器側とウォシュレット側に分かれます。ウォシュレット側に入った水は,バルブユニットに入ります。

(b)水はバルブユニットで水圧が調整され,安全弁ユニットを通り,熱交換器に入ります。

(c)熱交換器(セラミックヒーターで瞬間的に温めます)で温水に変えられます。

(d)温水は流調ユニット(水の勢いを調整)に入ります。

(e)流調ユニットで水勢を調節した後,脈動ユニット(圧力を与える)に入ります。

(f)水は脈動ユニットからノズルユニットに入り,洗浄します。


ウォシュレット、温水洗浄便座の種類

主に洋式トイレに設置される。和式トイレ用のものもある。トイレにアース端子付きコンセントがあれば設置は容易である。水道などの給水管に直結し、水道水を給水する水道直結給水式の温水洗浄便座は、給湯方式の違いで貯湯式と瞬間式の2つのタイプがある。

洗浄水の温め方

洗浄水の温め方には貯湯式と瞬間式がある。貯湯式は一定量のお湯を常に保温する必要があるため、必要なときにお湯を沸かす瞬間式のほうが省エネである。

(1)貯湯式  温水洗浄便座

 貯湯タンクの水(1~1.4 L)を、内蔵のシースヒーターで設定された一定の温度になるように温めて保っておき、おしり・ビデの洗浄時にはタンクの下から押し上げて、ノズル先端よりシャワーとして出す。

 タンクのお湯を下部からポンプで押し上げるため、約80秒でお湯が無くなり水が出てきてしまう。再度お湯を温めるのに必要な時間は、約5分程度かかるが、実際は常にお湯を出しながらの使用はないので、冷たい水が出ることは少ない。

欠点は、連続して使用すると湯切れとなり、冷たい水が出てしまうこと。お湯(温水タンク容量1.0~1.3L)を保温するための電力(約400~600 W)が常に必要である。

 カタログ表示の「貯湯量」は、エネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)に基づき温水タンク容量のうち、お湯の量(L)を表している。


(2)瞬間式  温水洗浄便座

 貯湯式のように専用タンクをもたず、セラミックヒーターを使用した熱交換器高効率のセラミックヒーターの表面に水を流すことにより一気にお湯を温める方式であり、使用中はお湯が常に出るのでトイレラッシュ時にもお湯切れすることはない。


 温水洗浄便座 瞬間式と貯湯式の比較

比較項目 貯湯式 瞬間式
グレード ベーシック~ミドル ミドル~ハイグレード
商品価格 ○(実勢価格で1万円台の機種もあり) ×(貯湯式よりも高い)
電気代 ×(常時保温が前提なので高め) ○(瞬間的に湯をつくるので安め)
湯切れ ×(常時保温が前提なので高め) ○(湯切れしない)
形状 △(一般的な形状が多い) △~○(スリムな形状の機種も一部ある)
機能 △(基本的な機能中心) ○(グレードが上がると便利機能が充実)

ウォシュレット、温水洗浄便座のサイズ

便器サイズには、「大型(エロングート) 470 mm」と「標準(レギュラー) 440 mm」の2種類がある。便器の規格は、「日本工業規格JIS A 5207 : 20H 衛生器具一便器・洗面器類」で規定されている。

 エロングート(Elongate)とは、

 1.長くなったようす、または、引き延ばされたようす。

 2.洋式便器の大きさで、標準サイズのものより、縦が30mm程度長いもの。

最近では大型サイズが増えつつある。混水洗浄便座右便器サイズに応じて普通サイズと大型サイズがあるが、両サイズ取り付け可能な共用サイズが主流となっている。


ウォシュレット、温水洗浄便座の機能

温水洗浄便座には、おしり洗浄・ビデ洗浄の基本洗浄機能に便座の暖房機能が付いたものと、さらに快適、清潔のための付加機能を付けたものがある。

ウォシュレット、温水洗浄便座の基本

おしり洗浄用の温水と、ビデ洗浄用の温水が出るノズルが備えてある。 2本のノズルがそれぞれの機能を持った機種と、1本のノズルで両方に対応しているものがある。便座に座り操作ボタンを押すと、ノズルからお湯加出て最適な洗浄ができ、そのお湯のシャワーにも洗浄カアップの工夫をこらしている。 使う人に合わせて、ノズル位置が選べる洗浄ノズル位置調整の可能な機器もある。


おしリ洗浄シャワー 温水洗浄便座

洗浄用のシャワー水にはいろいろな方式がある、ノズルが前後に動いて幅広く洗えるようにした方式。水流に気泡を混ぜて噴射しソフトに汚れを落とす方式。水玉を連続して噴射し洗浄する方式。水流の強弱をリズミカルに変化させてマッサージ感を与える方式などがある。


ビデ洗浄シャワー 温水洗浄便座

 ビデ洗浄シャワーは、ソフトかつワイドに洗える。水流に気泡を混ぜて噴射しソフトに洗浄する方式などがある。


付加機能 温水洗浄便座

清潔で快適なトイレを作るために、洗浄機能以外にもさまざまな機能をもたせている。

(1)便座の暖房

 一般的に便座を暖める機能が付いている。常時通電して暖める方式、学習機能で予測してあらかじめ暖める方式、人が近づいたことを検知して瞬時に暖める方式などがある。この場合でも気温が低い場合には一定の温度まで暖めておき、人を検知して適温まで暖めるようにしている。いずれにしろ便座のふたを閉めることで節電になる。

(2)脱臭機能

 用便時に発生するにおいを除去するための機能であり、においの元である硫化水素、メ

チルメルカプタン、アンモニアなどを取り除く。においを吸着して触媒で分解する方式が一般的であり、人を検知したり、ふたを開けることで起動し脱臭を開始する。用済み後は一定時間後に自動的に停止する。においを吸着する部分は定期的に交換する必要があるので、取扱説明書に従う。

(3)着座センサー

 人が座ったことを検知するための着座センサーが付いている。着座センサーには赤外線式とマイクロスイッチ式があり着座が確認できないと洗浄ボタンを押しても温水が出ない。誤って洗浄ボタンを押してしまったときに温水が噴き出さないようになっている。試運転のときには注意が必要である。

(4)温風乾燥機能

 温水での洗浄後温風で乾かすことができる。

(5)タイマー機能

 設定した時問に便座と温水の電源を切ったり、学習機能で使用する時間帯に、自動的に電源を入れることができる。

(6)便座のふたの自動開閉

 トイレに人が入ってきたことを人感センサーが検知すると、自動的に便座のふたが開き、用済み後人が退出して一定時間がたっと便座のふたが自動的にしまる。リモコンで開閉が

できる機種もある。

  (7)暖房機能

 冬季の使用時に温風を出す機能をもった機種もある。

(8)節電機能

電力の使用を抑える機能である。節電の方法は、温水と便座の温度を自動的にコントロールするもの、 ヒーターへの通電を停止する8時間切タイマーによるもの。長時間使用しないときは、電源スイッチでOFFするものなど機種によって異なる。

(9)安全機能

  安全装置には、サーモスタット(温度過昂坊止器)や温度ヒューズなどが一般的に使用されている。最近ではあるメーカーで、点検時期を知らせる機能を搭載しているものがある。製品を使用開始して、約10年が経過すると、電源ランプが点滅して点検時期を知らせ、販売店またはメーカーのメンテナントス部門へ依頼するしくみになっている。

  

(10)掃除のための脱着機構

 本体、便座のふた、便座はそれぞれ、掃除のために各社とも容易にはずせるようにしている。


ウォシュレット、温水洗浄便座の省エネ目標

温水洗浄便座 トップランナー基準

1999年に「エネルギー使用の合理化に関する法律(省エネ法)」が改正施行され、「トップランナー基準」が導入された。これは省エネ法で指定された特定機器の省エネ基準策定において、現行商品の内、省エネ性能が最も優れている製品(トップランナー)の性能以上の水準に目標値を定める」という方式である。製品には省エネ性能達成基準値が設定され、その基準達成が義務付けられた。トップランナー基準を達成すべき目標年度(2006年度)を迎えたことから測定方法の見直しと併せて基準の見直しが行われ、2012年度を目標年度とする新たな基準が策定された。

表  2012年を目標年度とする基準

エネルギー消費効率(年間消費電力量)の目標基準値

暖房便座

141 kWh/年

瞬間式(貯湯タンクなし)

135kWh/年

貯湯式(貯湯タンクあり)

183kWh/年

年間消費電力量の測定方法

 使用実態に合わせ消費電力の算出方法が見直され JIS A 4423 : 2007 [電気便座の省

エネルギー基準達成率の算出方法及び表示方法]も改訂された。

(1)測定方法の基準

  ①4人家族(男性2人、女性2人)で1日当たり16回使用した場合を基準

  ②便座部は、使用方法によって便座やフタを開閉して測定

  ③便座部の測定時の環境温度を15士1℃ (春季・秋季に相当)と5±2°C(冬季に   相当)とする。

  ④節電時間は、節電設定可能な最長時間(節電設定可能な最長時間が7.7時間以上   のものは、節電時間は7.7とする)。

2)年間消費電力量の計算

 年間消費電力量(kWh/年)は、上記の基準で1年間使用した場合の消費電力を、計算

式に入れて算出したものであり、節電時間も含まれている。

3.エネルギー消費効率の表示について

 2008年11月26日からは新基準に基づく表示をする。エネルギー消費効率に用いる年間消費電力量は、節電機能を踏まえて測定する節電モードを利用した場合と利用しなかった場合でエネルギー消費効率が異なることから、エネルギーにおいて、節電機能を使用しない場合の年間消費電力量(上記の算出式において、節電時間と通常動作復帰時間をOとして算定したもの)を括弧書き等であわせて表示するようになった。省エネ基準達成率は、基準エネルギー消費効率を年間消費電力量で割った比率である。

省エネ基準達成率(%)

=基準エネルギー消費効率(kWh/年)/年間消費電力量(kWh/年)×100 %

日本工業規格 JIS A 4422:2011 温水洗浄便座

解説概要:英語:toilet seat with shower unit

この規格は,洗浄に使用する水道水又はこれと同等の水質のものを電気で加温し,主に家庭で使用する温水洗浄装置及び暖房便座をもつ温水洗浄便座(以下,洗浄便座という。)について規定する。

その他の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

JISC日本工業標準調査会サイト

温水洗浄便座の日本工業規格は JIS A 4422:2011です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

温水洗浄便座の日本工業規格 JIS A 4422:2011 が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

電気温水洗浄便座



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